「化学反応式」に出てくる“数字”の意味 ⇒ 楽勝！

中２です。「化学反応式」に出てくる“数字”の意味は…？

　
中学生から、こんなご質問をいただきました。

「化学反応式なのですが、

　数字の意味が分かりません…。

　“大きい数字”と“小さい数字”の違いは？」

大丈夫、安心してください。

結論から言うと、

◇“大きい数字” は「“分子（物質）”の個数」

◇“小さい数字” は「“原子”の個数」

になります。

“分かったぞ！”と喜んでもらえるように、

理科のコツを解説しますね。

■“小さい数字”は目の前だけを見よう！

まずは、準備体操の質問です。

「水素を化学式で表してください」

と言われて、

「Ｈ₂ です！」

と皆さんは即答できますか。

“え……”と戸惑った中学生は、

こちらのページを、まだ読んでいませんね？

中２理科のポイントである

★「化学式」のコツ

をまとめたので、

ぜひ読んでみてください。

その後にまた戻ってくると、

“すごく分かるようになったぞ！”

と実感がわくはずです。

―― では、

上記ページを読み、

「Ｈ₂ です！」

と即答できる中２生向けに、

解説を続けます。

Ｈ₂ について、

小さい「２」がつく理由を、
皆さんはもう知っています。

「水素は気体で、

　原子が２個結びついた
　分子になっているからですよね」

こんな風に、ばっちり説明できるでしょう。

つまり、

“小さい数字”の意味を、皆さんは
もう分かったことになります。

Ｈ₂ と書くのは、

「水素原子が２個結びついています」

という意味です。

「原子の記号」の右下に
小さい“２”を書けば、

そういう意味になるのです。

（もしも、

　「水素原子が３個結びついています」

　と言いたければ、「Ｈ₃」と書けばＯＫです。

　また、「１」は省略できるという
　ルールがあるので、

　原子が１個しかないなら、
　１は書きません。

　たとえば、

　硫黄が「× Ｓ₁」ではなく
　「Ｓ」でよいのは、

　このような理由によるのです。

　コツが見えましたね！）

ちなみに、“小さい数字”は

「目の前の原子が何個あるか」

を表しているので、

たとえば、「水　Ｈ₂Ｏ」であれば、

原子が２個あるのは、水素（Ｈ）の話です。

何の原子が２個あるのかは、
直前の文字を見てくださいね！

…

■“大きい数字”は、うしろのまとまりを見る

ここからは、

化学式の前についている
“大きい数字”の話をします。

“大きい数字”は「係数」と言います。

たとえば、

「３Ｈ₂Ｏ」とあったら「Ｈ₂Ｏ（水分子）が３個」

「４Ａｇ」とあったら「Ａｇ（銀）が４個」

という意味になります。

（このように、係数は、分子の数を表します。

　分子でない場合は、その物質の数になります。）

「係数」もまた、

「１」は書かないというルールなので、

たとえば、

「ＣＯ₂」とだけ書いてあれば

・「ＣＯ₂（二酸化炭素の分子）が１個」

という意味です。

「×　１ＣＯ₂」とは書かずに、
「ＣＯ₂」でよいわけですね。

…

■まとめ――「化学反応式」の学習に向けて

さて、これで、

◇“小さい数字 は「原子の個数」

◇“大きい数字 は「分子（物質）の個数」

と区別できるようになりました。

すると、化学式がつながったものである、

「化学反応式」の意味も分かり始めます。

書かれている数字から、

「何原子が何個あるか」を
理解できるからです。

たとえば、

「２ＨＣｌ」とあったら、

「水素原子が２個と、塩素原子が２個」

と分かりますね。

（数学的に書くと

　「２(Ｈ＋Ｃｌ)＝２Ｈ＋２Ｃｌ」

　となるので、

　水素原子と、塩素原子が
　２個ずつであると分かります。）

さあ、もう恐くありません。

「２ＮＨ₃」とあったら、

「窒素原子が２個と、水素原子６個」です。（※）

（※「２(Ｎ＋Ｈ₃)＝２Ｎ＋２Ｈ₃」なので）

ですから、「２Ｈ₃」であれば、

「水素原子６個」ですね！

…

「化学反応式」については、

以降の記事でさらにコツを解説します。

まずは、

“小さい数字”と“大きい数字”から、

「何原子が何個あるか？」を
分かるようにしておきましょう。

それが「化学反応式」を理解する
土台となります。

さあ、中２生の皆さん、

このページで学んだコツを生かし、
得点アップへ踏み出しましょう！
　