「私」と言うのに、なぜ “I” と “my” が？（人称代名詞）

「わたし」と言うのに、“ I ” と “my” がある…？

　
中学生から、こんなご質問をいただきました。

「英語では、自分の話をするとき、

　“私は ( Ｉ )”、“私の ( ｍｙ )”

　と言い分けるのですか…？」

とても良い質問ですね！

結論を言えばそうです。

英語には、「わたし」という単語が
あるのではなく、

◇「私は」 ( I )

◇「私の」 ( my )

など、

日本語でいう「助詞」を含んだ形
になります。

理由とコツを、解説しますね。

さあ、成績アップへ、行きますよ！

…

■日本語がたまたま、「名詞＋助詞」になるだけ

世界の言語を見渡すと、

じつは、

「助詞」を持つ日本語のほうが
少数派になります。

たとえば、小学校の国語ですが――

・私は、本を読む

という文を、単語に分けてみましょう。

⇒ 私／は／　本／を／　読む

こうなりますね。

フレーズ（文節）で分けるなら

・私は … [A]

・本を … [B]

・読む

と３つになりますが、

「Ａ」と「Ｂ」のフレーズに
注目してください。

Ａは、「私＋は」という

◇名詞＋助詞

になっています。

Ｂも、「本＋を」なので、

同じく「名詞＋助詞」です。

実はこの

「名詞＋助詞」というペアは

日本語にすごく多いもので、

いわば日本語のコツなのです。

（外国人が、日本語を覚えるときの
　コツとなります。）

逆にいえば――

このペアは「日本語らしい」ものであって、

英語はそうではない、と。

これを知ることで、
実力アップできるのです！

「名詞＋助詞」のペアは、

たとえて言えば、和食のメニューが、

「魚＋お米」になりやすいのと
似ています。

「名詞＋助詞」になるのは、

日本語の他には、
韓国語、モンゴル語などですが、

世界では少数派なのです。

いっぽう、英語は――

「インド・ヨーロッパ語族」と言われる

ものすごく大きな種類の言語で、

いわば“多数派”です。

ですから、英語を学ぶことは、

間接的に、ドイツ語やフランス語、

イタリア語やロシア語を
覚えることにもつながります。

（文法や語順など、

　発想が似ているからです。）

中学校の授業が、

◇「国際人」になる第一歩

と私が言い続けるのは、

こんな理由なのですよ！

…

■英語には「助詞」がないので…

中学生の皆さんにも、

事情が見えてきたでしょう。

英語には、「助詞」がありません。

ですから、

英語では――

・「私＋は」と２単語にはしない（※）

　　　　　　↓ 代わりに…

・「私は」 ( I ) と１単語にまとめる

こういうことなのです！

英語のコツが、見えてきましたね。

（※ 「私＋は」と２単語にするのは、

　「名詞＋助詞」の“日本語らしい”形。）

…

＜おまけ＞

中１教科書を見ていただくと、

“わたし”という表現をめぐって

◇「私は」 ( I )

◇「私の」 ( my )

◇「私を」 ( me )

◇「私のもの」 (mine)

４種類が載っています。

つまり、

この４種類を覚えれば、
自分の話がいろいろできます。

「人称代名詞」というページがあるので、

ぜひチェックしてみてください。

（もちろん、授業でも習います。）

“英語は難しい…”

と感じるのは、

まだ慣れていないだけなので、
安心してＯＫです。

４種類を身につけるだけで、

“わたし”の話ができる。

これはけっこう便利ですよ。

たとえば、

日本語の「助詞」は――

が、を、に、で、の、は、から、まで…

など、色々ありますよね。

言語学的には、

日本語のほうが
難しいとよく言われます。

中学生の皆さんは、

そんな日本語を
使うことができているので、

自信を持っていいんですよ。

そんなわけで――

英語の“わたし”について、

がんばって４種類を覚えましょう！

…

なお、「人称代名詞」とは、

“彼” ( he )

“彼女” ( she )

なども含みます。

話の中で、初めて出たときは、

「徳川家康」などと名前で呼びますが、

フルネームを何度も言うのは
面倒ですよね。

ですから、２回目以降、

he （彼）でよくなります。

授業で習うので、
少しずつ慣れていきましょう。

…

「よしっ！」

という声がたくさん聞こえました。

「人称代名詞」について、

基本に納得できたんですね。

もちろん、「冒険」はまだまだ続きます。

“英語を使いこなす未来”へ――

さあ、出発の時間です！
　